大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

千葉地方裁判所 昭和50年(わ)205号 判決

本籍

千葉県八千代市平戸七一六番地

住居

右同

会社役員

染谷常吉

大正二年四月一日生

所得税法違反被告事件

検察官子原英和出席

主文

被告人を懲役八月及び罰金一、五〇〇万円に処する。

右罰金を完納しないときは金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

但し、この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、千葉県船橋市前原西二丁目二九番七号において、不動産の売買・仲介及び貸金業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、利息収入の一部を除外し簿外預金を設定するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四六年分の実際課税所得金額は四七、八五一、九〇五円で、これに対する所得税額は二五、六九七、一〇〇円であったにもかかわらず、昭和四七年三月一四日千葉市新宿二丁目六番一号所轄千葉税務署において、同税務署長に対し、課税総所得金額は二七、九三一、六九七円で、これに対する所得税は一三、三七九、一〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって正規の所得税額との差額一二、三一八、〇〇〇円をほ脱し、

第二、同四七年分の実際課税総所得金額は一二一、二二九、三七三円で、これに対する所得税額は六四、六一九、一〇〇円であったにもかかわらず、昭和四八年三月一四日右千葉税務署において、同税務署長に対し、課税総所得金は六一、四二四、一八五円で、これに対する所得税額は二二、九三〇、四〇〇円である旨の虚偽の確定申告を提出し、もって正規の所得税額との差額四一、六八八、七〇〇円をほ脱し

たものである。

(証拠の標目)

第二回公判調書中の証拠関係目録で引用した検察官証拠申請書(甲)の証拠番号の1から67までの証拠及び同(乙)の証拠番号1から19までの証拠と同一であるから、これを引用する。

(法令の適用)

罰条 所得税法二三八条一項二項

併合罪加重 以上の各罪は刑法四五条前段の併合罪なので、懲役刑については同法四七条本文一〇条により重い判示第二の罪の刑に併合加重・罰金刑については同法四八条二項により合算額以下

労役場留置 刑法一八条一項

刑の執行猶予 判法二五条一項

(裁判官 鍬田日出夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例